レバレッジとは
エフエックス(FX)では、実際に運用する額に対して、少ない現金で取引ができます。
FXが外国為替証拠金取引や外国為替保証金取引と言われるのは、証拠金(用意した資金)に対して何倍もの金額を動かすことができるからです。証拠金に対して大きな額を運用することをレバレッジを効かせると言います。
レバレッジとは英語で「テコの原理」のことを指します。少ない力で大きなものを動かすテコの原理をお金に応用し、小さな資金で大きな額を運用し大きな利益を得ることからこのように呼ばれています。
レバレッジ10倍
FXでは、業者によってレバレッジが違いますが、FX初心者はレバレッジ10倍以下から始めることをおすすめします。10万円の現金を証拠金として用意すれば、1万ドル(1ドル=115円なら115万円)、約10倍の外貨を運用できます。この場合をレバレッジ10倍といい、最初はレバレッジ10倍から始める人が多いようです。
10万円の資金で外国為替取引をする場合、ドルを例にとると、レバレッジなしで10万円の資金をめいっぱい使っても、運用できるのは約1000ドル。1万円の利益を上げようと思ったら10円の値上がりが必要です(1000ドル×10=10000)。国際的に大きな出来事でもない限り、ドルが10円も値上がりすることはなかなかないため、1万円の利益をあげることも難しくなります。
そこで、FXで10倍のレバレッジを効かせて1万ドルを運用すれば、1円値上がりすれば1万円の利益になります。
1万ドル=115万円(1ドル115円の場合)ですが、レバレッジ10倍なら用意する資金は10万円でいいのです。
レバレッジ100倍
FX業者によっては100倍のレバレッジで取引ができるところもあります。レバレッジ100倍なら1万円の証拠金で1万通貨(1ドル115円なら115万円)の取引ができます。1万円の証拠金で1万ドルを運用していれば、ドルが1円高くなれば利益は1万円、資金が2倍になります。
また、スワップ金利も1万通貨なら1日157円(外為どっとコム2006年9月時点)入るため、証拠金の1万円に対して1日で1.57%、年換算すると573%もの金利がもらえる計算になります。
ただし、高いレバレッジには高いリスクがついてくるので注意が必要です。
高レバレッジのリスク
ここまでの話ではレバレッジが高いほうがメリットがあるような感じもしますが、高いレバレッジには高いリスクもついてきます。1万円の証拠金でレバレッジ100倍の取引をした場合、ドルが1円値下がりしただけで証拠金はゼロになってしまう計算になります。
通常はそうなる前にロスカットといって、保証金に対して為替差による損失が大きくなってくると資金が減りすぎる前に強制的にポジションが解除されてしまうため、証拠金がゼロになることはなかなかありませんが、大きなニュース等で急激に為替レートが変わる可能性がないとは言いきれません。
高レバレッジはハイリターンなかわりにハイリスクでもある、このことはFX取引をする際はしっかりと頭に入れておいて下さい。
リスクをコントロールする
レバレッジによるメリットとリスクがわかりましたが、うまくリスクをコントロールし、効果的にレバレッジを使うにはどうすればよいでしょうか?
証拠金を多めに用意し、レバレッジをコントロールする
レバレッジによるリスク管理で大切なのは、証拠金を多めに用意して取引をすることです。特に初心者のうちはレバレッジの限界で取引をしてしまいがちですが、レバレッジの限界で取引をするというのは車の運転に例えると、アクセルを全開にしてレッドゾーンで突っ走っているようなものです。とても神経を使うし少しの値動きで冷静さを失ってしまいます。
初心者のうちはレバレッジ10倍の業者でも心配かもしれません。余裕を持って取引をするためには、証拠金で動かせる資金めいっぱいの取引はしないことをおすすめします。
10万円の証拠金で1万通貨の取引ができるところを、証拠金を20万円用意して1万通貨の取引をすれば、レバレッジは5倍で運用しているのと同じです。20万円の証拠金があれば2万通貨の取引ができるところを、あえて1万通貨しか取引せず、レバレッジの倍率を低く抑えることでリスクをコントロールします。
初心者のうちからいきなり100倍ものレバレッジでうまく運用するのは非常に難しく、少しの値下がりで冷静さを失ってしまい、ほとんどギャンブルのようになってしまいます。FXの取引に慣れてくれば高いレバレッジでも上手く運用できるようになってきますが、初心者のうちは冷静に取引ができる低めのレバレッジ倍率で余裕をもって運用をするようにして下さい。
ただし、FX業者選びでレバレッジ倍率の低い業者がいいというわけではありません。レバレッジは自分でコントロールできるもの、いざという時のために、多少高めのレバレッジを提供してくれる業者を使い、レバレッジのコントロールは自分で行う、というスタイルが理想です。